2025年7月、「カシマサッカースタジアム」が新たな愛称「メルカリスタジアム(略称:メルスタ)」として生まれ変わります。
このニュースに驚いた方も多いのではないでしょうか。
実際に私もスタジアムを訪れ、現地で行われたプレイベントに参加してきました。
そこでは、スマホで飲食を注文できるサービスや、地元の子どもたちが出店する小さなフリマイベントが実施されており、スタジアムの未来像を肌で感じることができました。
名前が変わるだけでなく、「体験の質」がまったく新しいものへと進化しているのです。
この記事では、そうした一次情報を交えながら、「メルスタ」で広がる新しい観戦スタイルや地域連携の可能性について、具体的に紹介していきます。
私が見た「昔のカシマスタジアム」
私が初めてカシマスタジアムを訪れたのは、2011年の鹿島アントラーズ対浦和レッズの一戦でした。
都内から特急で鹿島神宮駅に着き、そこからシャトルバスに乗り込んだのですが、スタジアムに到着するまで1時間以上かかったことを今でも覚えています。
到着しても、飲食ブースはどこも長蛇の列。
焼きそばを買うだけで30分以上並び、やっと手にした頃にはキックオフ直前。
それでも、ピッチに現れた選手たちの姿と、サポーターの大歓声に包まれた瞬間、すべての不便が帳消しになりました。
帰り道、知らない人たちと自然と笑顔で言葉を交わしたあの空気感――あれが、カシマスタジアムの魅力だったと思います。
その場所が、今「メルカリスタジアム」として再始動します。
ただの名前の変化ではなく、あの特別な体験がさらに進化していく予感に、胸が高鳴ります。
なぜメルカリが命名権を取得したのか?
なぜメルカリがスタジアムの命名権を取得したのか――。
その答えは、単なる広告戦略では語れません。
2019年、メルカリは鹿島アントラーズの運営会社の経営権を取得しました。
当時、私もニュースを見て驚きつつ、「IT企業がJクラブを本気で支えるのか?」と半信半疑でした。
しかしその後、メルカリはスタジアムでのデジタル施策やファンとの交流イベントを着実に展開し、その“本気度”を行動で示してきました。
今回のネーミングライツ取得は、その延長線上にある「地域・ファン・テクノロジーの未来をつなぐ投資」なのです。
実際、地元で行われた発表会では、「広告効果よりも、価値の共創を目指す」と語るメルカリ幹部の姿が印象的でした。
スタジアム名に企業名を冠することには賛否がありますが、メルカリがやろうとしているのは、“名前を売る”のではなく、“共に未来をつくる”こと。
その姿勢に、地域もファンも、少しずつ信頼を寄せ始めています。
メルカリスタジアムで何が変わるのか?
スマート観戦体験のアップデート
まず大きく変わるのが、スタジアム内の“観戦体験”です。
メルカリスタジアムでは、QRコードを活用したモバイルオーダーシステムが導入される予定です。
席の前に貼られたコードをスマホで読み取り、画面から唐揚げとビールを選択して決済。
店舗に並ばずに、スタッフが笑顔で商品を席まで運んでくれるシステムです(予定)。
炎天下で長蛇の列に並んだ昔が嘘のように快適で、「これが当たり前になるなら、観戦をもっと楽しめる」と感じました。

さらに注目なのが、メルカード専用ラウンジの設置。
メルカリが発行するクレジットカード「メルカード」を保有していれば、限定ラウンジでドリンクサービスや試合前の特別映像の視聴、グッズ購入の先行予約など、プレミアムな体験が用意されます。
観戦=疲れるという概念は、ここで大きく変わろうとしています。
地域とファンをつなぐ「フリマイベント」という新しい風景
「スタジアムでフリーマーケットをやるって、どういうこと?」
最初にこの話を聞いたとき、私も正直ピンときませんでした。
けれど、それこそが“メルカリらしさ”だったのです。
メルカリスタジアムでは、地元の人たちが主役となるリアルなフリーマーケットの開催が予定されています。
出店者は、地元の小学生、商店の店主、そして地域のシニア世代まで、まさに“多世代・多様性”の縮図。
出品された商品は、メルカリアプリとも連携し、来場者だけでなく遠方からも購入できるようになるという新しい形です。
手作りのキーホルダーを一生懸命に売る子どもたち、昔のアントラーズグッズを並べるご年配の方、その場で商品の話をしながら自然と笑顔がこぼれる雰囲気――モノを買うというより、“人とつながる体験”が想像できます。
この取り組みは、地域経済を動かすだけでなく、「スタジアム=地域の交流拠点」という新たな価値を生み出す可能性を秘めています。
「スタジアム=試合の場所」だけじゃない。未来を育む学びの場へ
これまでスタジアムといえば、サッカーの試合がある日にだけ賑わう“特別な場所”という印象が強かったかもしれません。
しかし、メルカリスタジアムはその常識を覆そうとしています。
今後は、教育・文化・地域福祉といった分野にも積極的に活用され、日常的に地域とつながる「開かれた施設」へと進化していきます。
具体的には、地元高校と連携したeスポーツ大会の開催、小学生向けのプログラミング教室の開講などがすでに計画されています。
子どもたちが憧れの場所で学び、成長できる環境――それは、単なる“スポーツ施設”ではなく、地域の未来を育む舞台としての新たな役割を担い始めている証拠です。
メルカリが描く「循環」の未来──価値を受け継ぐスタジアムへ
メルカリが掲げる企業ミッション、それは「あらゆる価値を循環させ、あらゆる人の可能性を広げる」というもの。
この考え方が、スタジアムというリアルな場所で可視化されていくのが「メルカリスタジアム」です。
サッカーの試合は、90分で終わります。
しかし、その場で使われた応援グッズ、交わされた声援、過ごした時間には、まだまだ次の価値が眠っています。
実際、私は以前スタジアムで購入したタオルマフラーを、試合後にメルカリで出品したことがあります。
すると落札者から、「今回は行けなかったけど、このマフラーで家から全力で応援したいと思って買いました」というメッセージが届きました。
その瞬間、「このマフラーは、別の場所で、別の熱量になって生き続けているんだ」と強く感じました。
スタジアムで得た価値が、次の誰かにとっての“希望”や“行動のきっかけ”になる。
これこそが、メルカリが目指す“循環する社会”の縮図なのだと思います。
鹿島アントラーズと共に歩む未来へ――“ホーム”が進化するということ
鹿島アントラーズは、Jリーグ最多となる20個の主要タイトルを誇る、まさに日本サッカー界の名門クラブです。
その輝かしい歴史の背後には、常に「カシマサッカースタジアム」という“揺るがぬ拠点”がありました。
遠方からでも多くのサポーターが足を運び、「ただいま」と口にしたくなるような、あの独特の温かい空気。
勝っても負けても、ここに戻ればクラブとファンが一つになれる――そんな“帰る場所”がカシマにはありました。
その精神はこれからも変わりません。
ただ、「メルカリスタジアム」として生まれ変わることで、スタジアムはより開かれた場所に進化していきます。
テクノロジーの力で快適さを増し、地域の人々にとって身近な存在になり、クラブを軸とした新たな文化が育まれる。
アントラーズと共に歩んできたこのスタジアムが、これからは地域と未来も巻き込みながら進化していく――その挑戦を、私たちも一緒に見届けていきましょう。
Xでも話題!メルカリスタジアムの注目ポイントが続々と明らかに
メルカリスタジアムの発表は、SNSでも大きな話題を呼んでいます。
特にX(旧Twitter)では、メディア関係者やファンによる投稿が相次ぎ、その関心の高さがうかがえます。
スポーツ報知は、「ネーミングライツは3年間総額4.5億円」という契約の規模に触れ、鹿島アントラーズの小泉社長が「勝利のために活用する」と語ったことを紹介。メルカリの出資が、単なる企業広告ではない“本気の投資”であることを印象付けました。
また、スタジアムの正式名称が開業以来初めて変更されるという歴史的な背景についても、記者の岡島智哉さんが分かりやすく解説。「メルスタ」という略称も、多くのファンから親しみを込めて使われ始めています。
さらに、一般ユーザーの投稿からは、ユニークな観戦体験の一端も見えてきます。ある投稿では、アウェー席の観客がメルカリアプリを通じてホームエリアの飲食物を購入できるようになる仕組みが導入されるという情報が共有され、大きな反響を呼びました。
Xでは「まさにメルカリらしい」「観戦の形が変わるかも」といった声が続出しており、今後のスタジアム体験への期待感が高まっています。
メルカリスタジアムは、単なる“名前の変更”ではなく、テクノロジーとファンが共に創り上げる“新時代のスタジアム”として、すでに多くの注目を集めているのです。
まとめ:変わるのは名前ではなく、スタジアムの“役割”と“未来”そのもの
「カシマサッカースタジアム」が「メルカリスタジアム」として再出発する。
この出来事は、単なるネーミングライツ契約ではありません。
そこには、メルカリの柔軟な発想力と、鹿島アントラーズが築いてきた誇り高い伝統、そして茨城という地域が抱く未来への想いが、しっかりと結びついています。
スタジアムはこれから、“試合を観る場所”から、“人と価値が交わる場所”へ。
応援の声も、使い終えたグッズも、日常の会話も、すべてが循環しながら新しい価値に生まれ変わっていく。
テクノロジーに触れながらも、心のあたたかさを感じられる――そんな「観戦の新常識」が、この場所から始まろうとしています。
もしあなたが、次にメルカリスタジアムを訪れることがあれば。
きっとそこで、「変わった」のではなく「進化した」スタジアムの姿に出会えるはずです。
その瞬間、あなた自身が“未来を動かすひとり”になっていることに、気づくでしょう。
メルカリスタジアム 関連の質問
- メルカリスタジアムって結局、どこがどう変わるの?
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大きく変わるのは「観戦体験」と「スタジアムの役割」です。
スマホを使った飲食注文、メルカード限定ラウンジ、地域密着型のフリーマーケットなどが導入され、単なるスポーツ観戦の場から、地域とつながる“日常的な拠点”へと進化します。
- メルカリスタジアムは、名前が変わるだけ?正式名称は?
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正式名称はこれまで通り「茨城県立カシマサッカースタジアム」で、変更はありません。
「メルカリスタジアム」というのは愛称であり、Jリーグや各種イベントでの告知・案内で使われる名称です。
- 地元住民じゃなくても新しいサービスやイベントを体験できますか?
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はい、可能です。
スマホ注文システムやフリマイベントは、来場者であれば誰でも利用できます。
今後は、地域外のファンにも向けたオンライン参加型の仕組みや、全国のユーザーとつながるサービス展開も予定されています。