土壇場PK失敗…18歳の涙が示す運命
📰 最後のPKを止められ勝ち点差5に
📰 若きエースの涙とチームの信頼
📰 残り5試合、直接対決で運命を決す
PK失敗、涙――18歳が背負った重圧と勇気
メルカリスタジアムに詰めかけた3万2千人余り。
後半アディショナルタイム、鹿島はDF黒川のハンド誘発でPK獲得。
キッカーに指名されたのは、わずか18歳の徳田誉。
テレビカメラがとらえたのは、左隅へ蹴られたシュートをGK一森純に止められる瞬間と、涙で顔を覆う姿。

記者席から聞こえたのは、スタンドの「うそ…!」という悲鳴とため息。
その後、チームメイトがそっと肩に手を置く。
その光景には、「責められない」空気と、選手たちの絆を感じました。
徳田は試合後こう語っています。
「決めなきゃという思いを力に変えられなかった。自分の弱さが出た」
三竿キャプテンは「責任を追わせる気持ちはない。あの場面で蹴ったこと自体が価値だ」とフォローしました。
若さゆえの葛藤、プレッシャーとの闘い。
それを表に出しながらも勇気を持って挑んだ徳田の姿は、多くのファンの心を震わせたはずです。
攻防の舞台裏:なぜ得点できなかったか?
鹿島の攻撃の壁
試合を通じて鹿島は、攻撃の糸口を何度もつかもうとしました。
前半2分、チャヴリッチのスルーパスを受けた鈴木優磨のシュートはわずかに枠外。
また、チャヴリッチ自身がポストプレーからの連携でフリーの状態を作った場面もありました。
しかしG大阪は5バック基調でブロックを敷き、縦スピードにも警戒。
鹿島のクロスや崩しを何度も跳ね返し、厚い守備を展開しました。
G大阪の守備の狙いと効果
G大阪は引いた状態からのカウンター、ラインコントロールを意識。
交代で宇佐美らの投入もあり、前線にスピードを足しましたが、鹿島に自由を与えない守備を継続。
鹿島にとって、相手の密集守備をどう崩すかが最後まで課題。
PKのような一撃を狙う場面を迎えるまで、効果的な崩しは限られていました。
“足踏み”が意味するもの──優勝争いの行方
この引き分けで、鹿島は勝ち点65。
2〜4位の京都・柏・神戸は勝ち点60で並び、差はわずか5点。
残り5試合という状況は、17年シーズンを思い起こさせます。
あの年も、鹿島は残り5試合で首位と2位に勝ち点5差をつけていましたが、最終的に逆転を許し優勝を逃した歴史があります。
現在、17年の悪夢が脳裏をよぎるなか、チームには明確なベクトルがあります。
「周りに目を向けず、自分たちのできることに集中する」──植田も鬼木監督も、この姿勢を掲げました。
特に次節の神戸戦、そして京都との直接対決が運命を左右する鍵となります。
ここで勝ち点を積めば、優勝に近づく可能性を大いに広げられます。
あなたとともに観る、残り5試合の注目ポイント
- 焦らず、刻む攻撃
相手守備が固いなら、サイドチェンジやスルーパスで揺さぶる方法に注目したい。 - 選手交代の采配とタイミング
後半の投入で流れを変える動きが鍵。若手起用にもドラマあり。 - メンタルと重圧の使い方
徳田選手の姿が象徴するように、ミスを恐れずに挑む覚悟が勝利を呼ぶ。 - 直接対決を制す者が優位に立つ
京都、神戸との試合は、“直接勝ち点差”を稼ぐ絶好機。
もしあなたが次節をスタジアム観戦するなら、これらのポイントを意識しながら見てほしいです。
選手たちの表情、交代時の仕草、サポーターの歓声、そのすべてが物語になります。
涙は敗北ではなく“証し”になる
徳田選手の涙を、私は「挫折」ではなく「成長の証し」として受け取りたい。
PKを外した悔しさは、次の蹴りを鋭くする原動力になる。
鹿島は歴史あるクラブ。
それゆえに圧がかかる時も多いけれど、若い力が新たな風を吹かせる力も秘めています。
残り5試合。その先の瞬間を、一緒に見届けたい。